臨床試験情報
新しい薬の開発を進める上で、参加者の皆さんのご協力が不可欠です。 リリーは、臨床試験への参加について検討、選択するために役立つ情報を提供します。これらのトピックについて、担当医師とご相談ください。
新しい薬の開発を進める上で、参加者の皆さんのご協力が不可欠です。 リリーは、臨床試験への参加について検討、選択するために役立つ情報を提供します。これらのトピックについて、担当医師とご相談ください。
「臨床試験」とは、薬剤や治療法の身体に対する効果や作用を評価するために行われる科学的研究で、「治験」や「臨床研究」と呼ばれるものがあります。「治験」では、 治験薬 に関する以下のような具体的なことを調査します。
新薬の開発には10年以上かかることがありますが、それぞれの薬剤を厳格に試験するために長い開発期間が必要になります。
臨床試験は段階的に実施されていきますが、段階が進むにつれて薬剤とその安全性および有効性に関する情報が蓄積されます。
ご自宅でお使いのお薬について、これまで深く考えたことはありますか?様々なお薬をお持ちかもしれませんが、1点だけ大きな共通点があります。それは、お薬は皆さんのお手元に届く前に、安全性を保証するため何年もの科学的研究を経ているという点です。これらの研究は、「臨床試験」と呼ばれます。
臨床試験では、治験薬の安全性・有効性に関する重要な情報や、他の革新的な治療法の開発につながる可能性のあるデータが取得されます。すべての新しいお薬は、臨床試験の それぞれ異なる目的の相 (第1相では、安全性を評価し、安全な投与量範囲を決定し、副作用を特定するために、小人数のグループ(20~80人)で新しい薬や治療法を初めて試験します。第2相では、有効性を確認し、安全性をさらに評価するために、より大きなグループ(100〜300人)に治験薬を投与、または治療を実施します。第3相では、有効性の確認、副作用の確認、および既存の治療法との比較を行い、治験薬および治療法を安全に使用できるような情報の収集を目的として、多人数のグループ(1,000〜3,000人)を対象に治験薬を投与、または治療を実施します。第4相では、承認を得て市販されている薬の有効性と安全性にかかわるさらなる情報を収集します。) で研究されます。
それらの過程を経て、臨床試験は現在の患者さんだけでなく、明日、来月、さらには10年後に病気と診断される患者さんにも大きな影響をもたらすのです。
臨床試験に参加するという選択は、参加者本人の判断です。参加理由は人によって様々です。米国の独立非営利団体 の調査における一般的な参加動機の要因は、医療の発展に貢献する、医療的ケアを受ける、同じ疾患で苦しんでいる患者に貢献する、を含んでいます。
臨床試験を実施する医療専門家には、「治験責任医師」や「治験コーディネーター」と呼ばれる普段聞きなれない肩書きがありますが、全員が医師や看護師、トレーニングを受けた研究専門家でもあります。これらの医療専門家の責務の1つに、 参加者 (臨床試験に参加する人、ボランティアとも呼ばれる) . への医療ケアがあります。これらの医療専門家は、参加者の安全と健康状態を確認し、臨床試験において参加者にとって最適な医療的ケアを提供します。そのため、参加者に臨床試験への参加を中止してもらうこともあります。医療専門家は、参加者の主治医や医療チームと密に連携しながら医療的ケアを提供することになります
臨床試験を実施するすべての人は、厳しい規制および倫理的な義務を負っています。これらの義務が確実に順守され、参加者は適切な対応が受けられるよう、臨床試験の運営から独立したチームが臨床試験の審査と監督を行います。このチームは「治験審査委員会(IRB)」と呼ばれ、参加者が臨床試験に参加する前に、その権利と福祉がまもられるよう適切な措置が取られているか、全ての臨床試験を1つ1つ審査します。もし参加者が不明に思う点があれば、IRBに問い合わせることもできます。
臨床試験には、それぞれ異なるリスクや利益があります。また、臨床試験に参加する方もそれぞれ異なるため、受けるリスクや利益は同じではありません。例えば、ある参加者に現れる副作用が他の参加者には現れないということがあるかもしれません。
臨床試験は研究であり、リスクと利益を正確に予測することは難しい側面があります。しかし、臨床試験実施者は、潜在的な利益が期待でき、かつ、参加者のリスクが許容できると確信できる場合のみ、その臨床試験を前に進めることになります。さらに治験審査委員会(IRB)では、参加者の臨床試験登録前に、臨床試験実施計画書、または、実施計画の審査を必ず行います。また、臨床試験実施者は、 「同意説明(またはインフォームドコンセント)」を通じて、臨床試験参加者が臨床試験について理解した上でご本人の自由意志でその参加を選択できるよう、事前に臨床試験の潜在的なリスクと利益について説明を行います。
臨床試験には、どのような方が参加できるかを決める「選択基準」と、どのような方が参加できないかを決める「除外基準」があります。選択基準と除外基準は、特定の患者集団においてお薬が効果を示すかどうか、また、適切な臨床試験に参加してその安全性が確保されるかどうかを証明するために必要であり、多大な考察と配慮の上設定されています。
臨床試験を開始する前に、すべての参加候補者に対してこれら基準を確認することになっており、その内容は、年齢や性別、疾患の種類および病期、前治療歴、その他の病状といったことに基づきます。
臨床試験の参加者は、臨床試験参加に同意した後でもそれを取りやめることができます。その際、理由を説明する必要はありません。臨床試験のどの段階であっても、参加者は参加を中止する権利があり、治験責任医師は参加者が安全な方法で臨床試験をやめられるよう対応します。
ほとんどの臨床試験では参加者は無償で、治験薬の提供・臨床試験に係る診療・来診を受けることができますし、参加者が支払いを受ける場合もあります。
参加者が支払いを受けることができる場合、その額は治験の相(段階)によって異なります。例えば、 第1相試験 (安全性を評価し、安全な投与量範囲を決定し、副作用を特定するために、少人数のグループ(20〜80名)で新しい薬または治療法を初めて試験する) のための支払いはより高額で、 第4相試験 (承認を得て市販されている薬の有効性と安全性にかかわるさらなる情報を収集) の支払いは、多くの場合、時間と交通費等を軽減するための払い戻しのみになります。
参加者は、臨床試験に参加する前の同意説明時に、係る費用や支払いについての説明を受けます。 この同意説明の目的は、 (またはインフォームドコンセント)」(参加する前に、すべての参加者は臨床試験について説明され、質問をする機会が与えられます) の目的は、臨床試験参加者の権利を保護し、臨床試験についての重要な情報が十分に提供されたことを確認することで、参加者はここで十分な説明を受け、不明な点を問い合わせることができます。
臨床試験は、世界中の病院、大学、医院、地域医療機関など様々な場所で実施されます。完全に研究に専念する実施医療機関もあれば、研究と診療の両方を提供する実施医療機関もあります。
CISCRPによる2019年の調査では、臨床試験参加者の96%が別の臨床試験に参加しても良いと考えていることがわかりました。また、回答者の78%が臨床試験への参加は「とても良かった」または「良かった」と答えています。
皆さん
「患者」、「ボランティア」、「被験者」と呼ばれることもあります。
「患者」、「ボランティア」、「被験者」と呼ばれることもあります。
治験実施医療機関
診療所、病院、大学病院、または医院
診療所、病院、大学病院、または医院
治験責任医師
臨床試験実施の責任者
臨床試験実施の責任者
治験コーディネーター
臨床試験を実施するために治験担当医師を支援します。
臨床試験を実施するために治験担当医師を支援します。
倫理審査委員会
研究が倫理的かつ公正であることを審査します。
研究が倫理的かつ公正であることを審査します。
治験依頼者
医師、病院、製薬会社など
医師、病院、製薬会社など
新薬の開発またはより良いお薬を生み出すために、世界中で毎日数えきれないほどの人々が臨床試験に参加しています。将来、病気と診断される患者さんにも大きな影響をもたらすのです。臨床試験は、重要な健康上の疑問を解決する、新しい薬または治療法を発見します。その中心となるのが臨床試験の参加者です。
参加理由は人によって異なりますが、医療の発展に貢献する、医療的ケアを受ける、同じ疾患で苦しんでいる患者に貢献する、などが挙げられます。最終的には参加者本人の判断となります。
臨床試験には、様々な特徴があります。臨床試験への参加にご関心のある方は、その臨床試験についてできるだけ詳しく知っていただく必要があり、治験実施医療機関のスタッフに臨床試験、関連手続きおよび費用について気軽に質問や相談ができます。
治験コーディネーターまたは治験責任医師と会う前に、事前に質問事項や疑問点を書き留めておきましょう。また、臨床試験への参加についてご家族、友達、またはかかりつけの医師と話し合ってください。疑問点について相談したり、説明を聞いたりする際には、お友達やご家族に同席いただくこともできます。
臨床試験の参加者は、事前にインフォームドコンセントとよばれる試験に関する同意説明を受けて、疑問に思っていることを尋ねることができます。これは、臨床試験に参加する方が十分に試験に関する情報を得て理解し、その上で参加を選択していただくためです。同意説明は、臨床試験参加の選択をする時点から試験期間全体を通じて行われます。
同意説明文書には、参加者全員が知っておくべき、試験の目的、期間、手順、リスクと利益、その他詳細が記載されております。参加者は、この文書を読んで治験実施医療機関の担当スタッフと話し合い、提供された情報を理解したことを確認した上で文書に署名し、臨床試験に参加します。臨床試験実施計画書が変更されたり、新しい安全性情報が明らかになった時等には、新たな同意説明文書が作成されることがあり、臨床試験期間中に同意説明文書が改訂されることもあります。参加者は、臨床試験が終了していなくても、いつでも臨床試験をやめることができます。
臨床試験には、倫理的および法規制が適用されます。さらに、臨床試験は、これらの法規制に基づいて、参加者を保護するための体制が整備されています。
プライバシーは
保護されます
皆さんの権利、福祉、プライバシーの保護は、最優先事項です。 私たちは、厚生労働省と倫理審査委員会の厳格な規制および倫理指針に従います。
皆さんの権利、福祉、プライバシーの保護は、最優先事項です。 私たちは、厚生労働省と倫理審査委員会の厳格な規制および倫理指針に従います。
十分な情報が
提供されます
臨床試験開始前に既知のリスクと利益についてお伝えします。
臨床試験開始前に既知のリスクと利益についてお伝えします。
なんでも聞いてください
ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。素朴なご質問でもご相談いただけます。
ご不明な点がありましたら、お問い合わせください。素朴なご質問でもご相談いただけます。
いつでも参加をやめることができます
いつでも、どのような理由でも臨床試験をやめることができます。
いつでも、どのような理由でも臨床試験をやめることができます。
皆さんは一人ではありません
あなたのように、新しい薬の開発のために協力している参加者は世界中にいます。
あなたのように、新しい薬の開発のために協力している参加者は世界中にいます。
状況を変えることができます
皆さんのご協力により、生活をよりよいものにする新しい治療法を開発することができるのです。
皆さんのご協力により、生活をよりよいものにする新しい治療法を開発することができるのです。
皆さんは新しい薬の開発に協力した人々の一員になります。
臨床試験の参加者により、重要な健康上の疑問を解決する、新しい薬または治療法を発見することに貢献されました。
治療の継続について相談できます。
臨床試験の参加期間終了後は、皆さんは医師と医療上最も適切な次の治療方法を決定することになります。臨床試験によっては、終了後も長期間にわたり治験薬を提供されることもあります。しかし、これは例外であり、規則ではないので、試験担当医師とご相談ください。
臨床試験は続行する場合も中止される場合もあります。
臨床試験の結果が分析された後に何が起こるかは、臨床試験の相によって異なります。第1相試験または第2相試験終了後には、結果に基づいて、次の相に移行するか、薬物の安全性や有効性が確認されなかったため臨床試験を中止するかを決定します。第3相試験終了後には、データを調べ、その結果が医学的に重要かどうかを判断します。
臨床試験で用いられた薬は医薬品として国より承認される可能性があります。
新しい薬または治療法が3つの相すべてで安全で効果的であると証明された場合、その薬の使用は承認される可能性があります。多くの患者さんが新しい薬を使用できるようにするために、研究者は、治験の結果を各国の規制機関(日本の場合は厚生労働省)に提出する必要があります。しかし、すべての治験薬や治療法が承認されるわけではありません。
臨床試験の結果は公開され確認することができます。
いつ・どのように、臨床試験結果を知るかは、臨床試験を担当する製薬会社と、治験実施医療機関の方針で異なります。リリー社の臨床試験に参加された場合、私たちは有意義かつ責任ある方法と時間枠で結果を提供するように最善を尽くします。また、臨床試験の結果はwww.clinicaltrials.govからもご覧いただけます。臨床試験結果が確認できるようにになるまでは時間がかかることがあります。皆さんの臨床試験への参加は終了していても、まだその臨床試験では他の参加者に対しては進行中である場合があります。試験期間は、1週間で終了する臨床試験もありますが、数年かかる臨床試験もあります。
臨床試験に参加している実施医療機関の医師や治験コーディネーター(臨床試験を実施するために治験担当医師を支援する専門スタッフ)にご相談ください。
すべての医療機関で受けられるわけではなく、臨床試験によって参加できる医療機関は異なります。参加したい臨床試験が近隣の医療機関で実施しているかどうかをリリートライアルガイドから検索できます。こちらのリンクから検索したい症状と郵便番号を入力いただくことで検索できます。
病院によっては、患者さんの主治医から直接臨床試験を行っている先生に連絡していただくか、紹介状を書いていただくといった方法が一般的です。まずは主治医の先生にご相談ください。
臨床試験の期間を通じて、治験担当医師と患者さんをサポートする臨床試験専門スタッフです。不安なことや疑問があったら、担当の医師だけでなく、治験コーディネーターにも遠慮なく相談できます。治験コーディネーターは、製薬会社の職員ではなく、医療機関の職員である場合と治験補助を専門とする企業から派遣されている場合があります。
現在妊娠されている方は参加できません。 また、授乳中の方や妊娠を希望される方は、胎児への影響がある可能性があるため、参加できません。
臨床試験によって、また臨床試験の段階によって異なりますが、同意説明文書注)に「この治験薬がこれまでどのくらいの人に使っていただいたのか」具体的な人数が記載されているので、臨床試験参加を検討する時には必ず確認することができます。また、効果と副作用についても同意説明文書に詳しく説明があります。 注)同意説明文書とは、患者さんが臨床試験に参加する前に、臨床試験の目的や内容、リスクや注意点をじっくり読んで理解し十分に検討できるようにするための文書です。
臨床試験によって異なりますが、臨床試験に参加した最初の時期は、一般的にはこれまでの通院頻度より多く来院が必要になることが多く、徐々に来院頻度が減り、通常の来院頻度と同じくらいになることが多いです。検査や採血なども一般的には増えることが多く、ご自身/ご家族にも日常生活や症状の変化に関するアンケートや日々の服薬状況などの記録にご協力いただくこともあります。
治験薬を使用中に「いつもと違うな」と感じたら、すぐに臨床試験の担当医師にご連絡ください。なお、この治験薬の副作用によるものなど健康が害されたような場合には、参加していただいた方の健康被害の治療に要する費用の負担などを軽減する対応ができる場合がありますので、この詳細については臨床試験の担当の先生にご相談ください。費用に関しては臨床試験参加者に一旦お支払い頂いた後、補償対象と判定された場合は補償金額が送金されます。こちらのリンク 先にある医薬品企業法務研究会が発行しているガイドラインやQ&Aが参考になります。
治験薬は製薬会社から無償で提供されます。 診察料は患者さんのご負担となりますが、治験薬を使用している期間はすべての検査費用、一部のお薬代は製薬会社が負担します。また、臨床試験にご参加いただくにあたり、患者さんのご負担を軽減するために、一回の来院あたり約7000円の負担軽減費が支払われます。多くの場合は、来院後に患者さんの口座に送金されます。
臨床試験では、副作用が起きた場合、早く対応できるように、担当医師や治験コーディネーターと連携を取りながら対応していきます。もし臨床試験参加中に体調が悪くなったり、少しでも異変を感じたら、すぐに担当医師か治験コーディネーターに連絡してください。
臨床試験では、治験薬の効果や安全性を正しく評価するため、参加いただいた方々をランダムに複数のグループに振り分ける場合があります。これを「無作為化」と言います。詳しくは下の「臨床試験用語の解説動画」をご覧ください。
臨床試験で使用する治験薬には、薬の効果を期待した成分を含むものと含まないものがあります。成分を含まないものを「プラセボ」と言います。本来プラセボを服用した場合、効果や体に対する影響はないはずですが、人によっては何らかの効果が出る場合もあり、これを「プラセボ効果」と呼んでいます。そのため、治験薬の効果や安全性を正しく評価するためにこれらを比較する試験を行う必要があります。治験薬かプラセボのどちらを服用するかについて、治験参加者の皆さんにも医師にも分からないようになっている試験を「二重盲検比較試験」と言います。詳しくは下の「臨床試験用語の解説動画」をご覧ください。なお、すべての臨床試験でプラセボを使用したり二重盲検比較試験を行うわけではありません。
よくある質問を以下ボタンからダウンロードできます:
よくある質問や同意説明文書に出てくる用語で、特に理解がしづらい用語や内容を以下の動画で補足解説しています。 (この解説動画の内容は、一部の臨床試験には該当しない場合があります)
無作為化とは
二重盲検とは
健康被害が生じた場合の治療と補償
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